はじめに
マイナンバーカードには健康保険証の機能を付けることができます。
通称「マイナ保険証」といわれており、この機能を付けるとマイナポイント7,500円分がもらえるキャンペーンが行われています。
【1】マイナ保険証にすると病院の支払額が増える?
マイナ保険証が使える医療機関で受診した場合、2022(令和4)4月から受診時に21円、再診時に12円、調剤時に9円が上乗せされて徴収されます。
また、マイナ保険証ではなく従来の保険証を使った場合でも、2024(令和6)3月までは初診時に9円上乗せされて徴収されます。
【2】理由
医療機関がマイナ保険証を導入しようとすると、専用の端末やシステムが必要なので費用が掛かります。
このためシステム利用料や保守サービス料といったランニングコストが患者に転嫁されてしまいます。
政府は2023(令和5)年3月までに、すべての医療機関でマイナ保険証の導入を目指しています。
このためマイナ保険証を導入した医療機関に対して、今年4月から診療報酬を改定し、患者から徴収できるようにしました。
【3】マイナ保険のメリット・デメリット
(ア)メリット
・高額療養費制度で限度額を超える支払いが免除される。
・マイナ保険証で自動受付が可能となる。
・過去の医療記録がすべて記録される。
・就職・転職・退職などのライフプランの変化があっても、健康保険証として使用できる。
(イ)デメリット
・対応している医療機関が少ない。
・カードには有効期間がある。
・紛失・盗難による個人情報漏洩のリスクがある。紛失した場合の再発行には費用が掛かります。
おわりに
マイナカードを健康保険証として利用する申し込みをすると、マイナポイント7,500円をもらうことができます。
しかし、患者にとっては医療機関への支払額が少額ではありますが、増えてしまうようです。
マイナポイントの利益とこれからの受診に際しての支払いを考えてみることも必要なようです。
国は、マイナカードを健康保険証として使用する政策を進めているので、今後の動向にも注意していきたいものです。