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遺言の基本的内容

はじめに

遺言には公正証書遺言と自筆証書遺言があります。

自筆証書遺言は自筆で書き残しますが、書式は民法に定める方式によらないと無効になってしまいます。

また自分で保管するため、散逸したり気づかれなかったりする恐れがあります。

この点、法務局において自筆証書遺言を保管する遺言書保管制度を利用すれば、遺族が遺言の存在を知ることができます。

遺言に何をどのように書くか

遺言者の状況

夫Aが妻Bと子ども2人(長男Cと長女D)に不動産・預貯金・株式を遺言によって相続させる場合を考えます。

夫Aから妻Bへ不動産を相続

(1)妻B(生年月日)に対して次の財産を相続させる。

土地…所在・地番・地目・地籍

建物…所在・家屋番号・種類・構造・床面積

・通常の住所を書いてはいけません。法務局で取得した登記事項証明書の通りに書きます。

・妻Bではなく第三者に相続させる場合は、第三者の住所も必要です。

・私道等がある場合、市区町村ごとに個人が所有している不動産を一覧にしてみること     ができる名寄帳で確認します。

夫Aから長男Cへ預貯金を相続

(2)長男C(生年月日)に対して、次の財産を相続させる。

〇〇銀行〇〇支店普通預金口座番号〇〇〇○○

夫Aから長女Dへ株式を相続

(3)長女D(生年月日)に対して、次の財産を相続させる。

 株式会社〇〇証券〇〇支店口座番号○○○○の株式すべて

(4)(1)~(3)に記載した以外の私の財産を妻Bに相続させる。

・遺言書に書いていない財産が出てきても遺産分割協議をすることなく、財産を引き継ぐことができます。

(5)遺言者は、遺言執行者に次の者を指定する。

   住所、氏名

・必須ではありませんが、相続をスムーズに行うためにも第三者である専門家等の遺言執行者を忘れずに指定しておきます。

(6)付言事項

  家族・親族・世話になった方へのメッセージを記します。

・なぜ遺言を残したのか、具体的な思い出やエピソード、感謝のメッセージなどを記すことで円満相続の一助ともなります。

(7)日付・住所・氏名・印

・押印すればよいのですが実印が良いでしょう。

おわりに

家族状況や財産等がさまざまですが、基本は(1)~(7)のような形で書きます。

自分が死んだ後のことなので、遺漏の無いようにするためには専門家と相談してください。

15歳になれば誰でも遺言をすることができるので、あらかじめどのような内容の遺言を書き残しておけばよいのかを考えておいてみてはどうでしょうか。