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森林経営管理制度について

はじめに

森林経営管理法(平成30年)の成立によって、翌年より森林経営管理制度がスタートしました。

現在、日本の森林面積の約6割は小規模・零細な私有林であり、森林所有者の不在村化や高齢化が進行しており、所有者情報の把握が課題となっています。

さらに所有者が不明である場合の森林経営管理に支障が生じています。

森林所有者による森林の経営管理に係る問題を解決し、森林資源を有効活用するとともに治水をはじめとする防災の観点からも適切な森林経営管理を行うことを目的とした制度です。

対象となる森林

森林経営管理制度が対象とする森林は、森林法第5条第1項の規定によりたてられた地域森林計画が対象とする森林のうち、適切な経営管理が行われていない私有の人工林です。

ちなみに、地域森林計画が対象としている森林の区域は、森林計画図において表示する区域内の民有林となっています。

森林経営管理

第1条 この法律は、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第五条第一項の規定によりたてられた地域森林計画の対象とする森林について、市町村が、経営管理権集積計画を定め、森林所有者から経営管理権を取得した上で、自ら経営管理を行い、又は経営管理実施権を民間事業者に設定する等の措置を講ずることにより、林業経営の効率化及び森林の管理の適正化の一体的な促進を図り、もって林業の持続的発展及び森林の有する多面的機能の発揮に資することを目的とする。

*地域森林計画とは、都道府県知事が全国森林計画に即して、民有林について森林計画区(全158計画区)別に5年ごとに10年を一期としてたてる計画で、都道府県の森林関連施策の方向及び地域的な特性に応じた森林整備及び保全の目標等を明らかにするとともに、市町村森林整備計画の策定に当たっての指針となるものです。

制度の流れ

① 森林所有者による適切な森林の経営管理の責務を明確化する。

森林経営管理

第3条 森林所有者は、その権原に属する森林について、適時に伐採、造林及び保育を実施することにより、経営管理を行わなければならない。

② 市町村が意向調査を実施し、森林所有者自らが森林の経営管理を実行できない場合に、市町村が森林の経営管理の委託を受ける。

林業経営に適した森林は、意欲と能力のある林業経営者に再委託する。

林業経営に適さない森林にあっては、市町村が自ら管理を実施する。

所有者不明森林の特例措置

所有者が不明な場合、森林を適切に経営管理できない状況になってしまいます。

このため市町村が手続きを経た上で、経営管理権集積計画を定めることができるという特例措置を設けています。

①探索 

市町村は森林所有者を探索しますが、登記簿上の森林所有者の相続人(原則として配偶者と子)までで良いとされています。

②公告と裁定

市町村は所有者に申出るよう公告しますが、6か月以内に申し出がなければ、その後、4か月以内に市町村長が都道府県知事に裁定を申請します。

③市町村へ経営管理権の設定

都道府県知事が市町村に経営管理権を設定することが必要な旨の裁定を行った場合、不明な森林所有者は市町村が定めようとする経営管理権集積計画に同意したものとみなされます。

森林経営管理制度(森林経営管理法)について:林野庁 (maff.go.jp)