はじめに
申請等取次制度によって行政書士は、在留期間更新許可申請等の在留諸申請や在留カードの記載事項変更等の手続を行うことができます。
本来は、外国人本人が地方出入国在留管理局へ出頭しなければなりませんが、窓口の混雑緩和や申請人・届出人の負担軽減等のため、本人に代わって申請等の取次を行うことができる制度です。
取次を行える者
取次を行えるのは、弁護士・行政書士・受け入れ機関等の職員・旅行業者の職員・公益法人の職員です。
申請等取次者となるための手続き
弁護士・行政書士については、所属する弁護士会・行政書士会を経由して地方出入国在留管理局長に提出をします。
受入れ機関等・旅行業者・公益法人の職員については、地方出入国管理局庁へ申出て適当と認められることです。
申請等取次範囲
・在留資格認定証明書交付申請
・在留期間更新許可申請
・永住許可申請
・再入国許可申請
・在留カードの有効期間更新申請
・在留カードの住居地以外の記載事項変更届出
・在留カードの再交付申請
・在留カードの受領
・資格外活動許可申請
・就労資格証明書交付申請 等
申請取次行政書士
申請取次行政書士とは、外国人の出入国管理に関する業務をしている行政書士です。
行政書士の資格を取得したうえで、入管法に関する一定の研修を受け、法務省から申請人に代わって申請書等を提出することを認められた行政書士のことです。
申請取次行政書士に申請業務を依頼をすることで申請者本人が出入国在留管理局への出頭が免除されます。
申請取次行政書士になるには
申請取次行政書士になるには、行政書士の資格を取得し、日本行政書士会連合会の行政書士名簿に登録しなければいけません。
行政書士登録後に、日本行政書士会連合会で行っている出入国管理に関する研修を受けます。
研修受講後の効果測定で合格した場合、研修会の修了証書を貰うことができます。
研修の費用は3万円です。
申請取次行政書士は3年に一度の登録更新が必要になります。更新手続きの際も試験があり、合格しないと更新することができません。
おわりに
外国人が日本に在留する場合、出入国管理及び難民認定法などによる制約が存在します。
このため外国人だけでなく、外国人を雇用している日本人経営者も知識不足によって取り返しのつかない事態に陥ってしまうこともあるのです。
専門家である申請取次行政書士に申請を依頼することで、在留資格申請がスムーズになるだけでなく、在留している間も法を遵守し安心して日本で暮らすことができます。
また、申請取次行政書士の役割は申請者の知識不足などによる虚偽申請を未然に防ぐことでもあると言われています。
もちろん、すべての虚偽申請を見抜けるわけではありませんが、事前にチェックすることで虚偽を未然に防ぎ、ひいては国益を維持する役割も担っているといえるのではないでしょうか。
《参考》
出入国在留管理庁 HP