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法定後見制度の手続きと費用について

はじめに

法定後見制度とは、本人の判断能力に応じて「後見」「保佐」「補助」の3段階に分かれており、本人や配偶者・親族などが家庭裁判所に申立てをすることによって選ばれた成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が本人を支援する制度です。

【1】家庭裁判所への申立て

①申立てができる人

(ア)本人、配偶者、4親等以内の親族などです。

(イ)4親等以内の親族というのは、父母・祖父母・子・孫・ひ孫・兄弟姉妹・おい・めい・おじ・おば・いとこ・配偶者の親や子兄弟姉妹です。

(ウ)身寄りがいない、親族がいても関係を拒否しているなどの場合は、市区町村が申立てをすることができます。

②申立てに必要な書類

申立人が書類を家庭裁判所に提出しますが、多くの様々な書類を整えなければならないので、業として申立て書類の作成ができる弁護士又は司法書士に依頼するとスムーズにできます。依頼した場合の報酬は10万円~のようです。

(ア)申立書

(イ)申立事情説明書

(ウ)親族の意見書。後見人等候補者事情説明書、親族関係図など

(エ)本人情報シート(ケアマネ・ケースワーカーなどの本人を日常的に支援している福祉関係者が作成します)

(オ)診断書及び診断書附票

(カ)財産目録

(キ)収支予定表

(ク)本人の財産、収支、健康に関する資料

*不動産・預貯金・投資信託・株式・生命保険・損害保険・負債・収入や支出についての資料

*相続財産目録(遺産分割未了の相続財産がある場合です)

*本人の健康に関する資料(介護保険認定書・療育手帳精神障害者保健福祉手帳など)

③申立てに必要な費用

申立てに関する費用は申立てる人が用意します。

(ア)収入印紙

*申立て手数料

800円(後見又は保佐開始)

1,600円(保佐又は補助開始+代理権付与又は同意権付与)

2,400円(保佐又は補助開始+代理権付与+同意権付与)

*登記嘱託手数料  2,600円

(イ)切手代

  3,700円(後見開始のとき)

  4,700円(保佐・補助開始のとき)

(ウ)添付書類(市区町村によって費用は変わってきます)

*申立人  住民票 1通(350円)

  *本人   戸籍謄本 1通(450円)

        住民票 1通(350円)

        登記されていないことの証明書 1通(300円)

  *成年後見人等候補者 住民票 1通(350円)

(エ)鑑定費用

  本人の判断能力の状況を調べるために、医師の鑑定をすることがあります。はっきりとは分かりませんが、10万円~程度は必要とされているようです。

【2】成年後見人等の報酬

成年後見人等への報酬は、家庭裁判所が個々の事情に応じて決定し、本人の財産から支払われます。本人負担です。報酬額の目安は次のようになっています。

(ア)成年後見人等の報酬

*通常の場合、月額2万円が基本報酬の目安です。

*管理財産額が1,000万円超~5,000万円以下の場合、月額3~5万円で、5,000万円超になると、月額5~6万円です。

(イ)成年後見監督人の報酬

管理財産額が5,000万円以下の場合、月額1~2万円で、5,000万円超になると、月額2,5~3万円です。

(ウ)付加報酬

*特別困難な事情があった場合、基本報酬の50%の範囲で相当額が付加されます。

*特別の行為をした場合には相当額の負荷があります。