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入管法とその行政(1)

はじめに

出入国管理の法は1945(昭和20)年、ポツダム宣言受諾に伴う「出入国管理令」として制定されて以来、法律としての効力を有していました。

1981(昭和56)年、難民の地位に関する条約への加入に伴って法改正され「出入国管理及び難民認定法」と改められました。

これ以後も、時代の要請とともに、たびたび改正が行われ、現在に至っています。

入管法の目的

出入国管理及び難民認定法第1条にはその目的が次のように定められています。

①本邦に入国する全ての人の公正な管理を図ることであり、全ての人ということで、外国人だけでなく日本人も対象となります。

②本邦に在留する全ての外国人の公正な管理を図ることです。外国人とは「日本国籍を有しない者」なので、他の国籍を有していても日本国籍を有していれば外国人ではありません。

③難民の認定手続きを整備すること。

(目的)

第1条 出入国管理及び難民認定法は、本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする。

出入国在留管理庁

出入国在留管理行政を担うのは、法務省の外局である出入国在留管理庁で、地方には地方出入国在留管理局が設置されています。

本邦からの退却を強制される者を収容し、送還する入国者収容所も設置されています。

①所掌事務

出入国在留管理庁の所掌事務については、法務省設置法第4条のうち第29条1項にあります。

(ア)日本人の出国及び帰国並びに外国人の入国及び出国の管理に関すること

(イ)本邦における外国人の在留に関すること

(ウ)所掌事務に係る国際協力に関すること

(エ)文教研修施設において研修を行うこと、など

②任務

出入国在留管理庁は出入国及び外国人の在留の公正な管理を図ることだけでなく、法務省設置法第28条において「特定の内閣の重要政策に関する内閣の事務」を助けることを任務としています。

2018(平成30)年、「外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針について」の閣議決定において、総合調整を行う司令塔的役割を担うこととなっています。

③組織

法務大臣によって任命された出入国在留管理庁長官をトップとしています。

長官のもと、入国審査官(主任審査官、特別審査官及び難民審査官を含む)、入国警備官が地方出入国在留管理局及び入国者収容所に配置されています。

 

《参考文献》 『入管法概説』髙宅茂 有斐閣