【1】技能実習制度とは
2016(平成28)年、「人材育成を通じた開発途上地域等への技能、技術又は知識の移転による国際協力を推進することを目的」として「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)が制定され、この法に基づいて整備された制度です。
(目的)
第一条 この法律は、技能実習に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、技能実習計画の認定及び監理団体の許可の制度を設けること等により、出入国管理及び難民認定法その他の出入国に関する法令及び労働基準法、労働安全衛生法その他の労働に関する法令と相まって、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図り、もって人材育成を通じた開発途上地域等への技能、技術又は知識の移転による国際協力を推進することを目的とする。
【2】技能実習計画
技能実習を行わせようとする個人又は法人は、技能実習生ごとに技能実習計画を作成し、出入国管理庁長官及び厚生労働大臣の認定を受けなければなりません。認定後の変更も認定が必要です。
【3】技能実習とは
技能実習には、企業単独型技能実習と団体監理型技能実習の二つがあります。
①企業単独型技能実習とは
日本の企業が海外に有している事業所や取引先の従業員を日本の事業所などに招いて技能実習させるものです。
②団体監理型技能実習とは
日本の非営利法人が実習生を受け入れて講習を受けさせ、その法人のあっせんによって雇用契約を締結した日本の会社等の事業所で、非営利法人の監理のもとで技能実習を行うものです。
技能実習生と雇用関係を締結している企業等の間では、企業等は技能実習生に対して技能を習得させる意欲が低くなりがちであり、単なる労働力の確保にすぎない場合があります。このため非営利法人が適切に監理を行う必要があります。
③技能実習の区分
技能実習は次の3段階で構成されています。
(ア)第1段階:技能を修得するための技能実習段階です。
第1号企業単独型技能実習
第1号団体監理型技能実習
(イ)第2段階:技能に習熟するための技能実習段階です。
第2号企業単独型技能実習
第2号団体監理型技能実習
(ウ)第3段階:技能に熟達するための技能実習段階です。
第3号企業単独型技能実習
第3号団体監理型技能実習
④技能実習の目標
技能実習の目標を技能実習計画に記載しなければなりません。そして、段階的に第1号→第2号→第3号と進んでいきます。
(ア)1号技能実習の目標
*基礎的な技能検定又はこれに相当する実技・学科試験の合格
*具体的業務の遂行及び知識の修得
(イ)2号技能実習の目標
3級技能検定又はこれに相当する技能試験の合格
(ウ)3号技能実習の目標
2級の技能検定又はこれに相当する技能試験の合格
技能実習に関する在留資格は、別表第1:2の表に企業単独型技能実習と団体監理型技能実習ごとに示されています。
(ア)技能実習1号イ
第1号企業単独型技能実習の認定計画に基づいて講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動を行う者です。
(イ)技能実習1号ロ
第1号団体監理型技能実習の認定計画に基づいて講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動を行う者です。
(ウ)技能実習2号イ
第1号企業単独型技能実習を修了し、第2号企業単独型技能実習の認定研修に基づいて技能等を要する業務に従事する者です。
(エ)技能実習2号ロ
第1号団体監理型技能実習を修了し、第2号団体監理型技能実習の認定計画に基づいて技能等を要する業務に従事する者です。
(オ)技能実習3号イ
第2号企業単独型技能実習を修了し、第3号企業単独型技能実習の認定研修に基づいて技能等を要する業務に従事する者です。
(カ)技能実習3号ロ