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ものづくり補助金について

はじめに

ものづくり補助金は、経済産業省が中小企業・小規模事業者の革新的サービス・試作品の開発・生産プロセスの改善などを支援するものです。

通称「もの補助」ともいわれている「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、小売・サービス、医療・福祉といった、製造業以外の業態においても採択されています。

2012(平成24)年より、年間1,000億円規模の予算で実施されており、コロナ影響による経済対策で補助金の上限額も増額されるなど、見直しや拡充が行われています。

2020(令和2)年3月の1次募集から2022(令和4)年2月までの9次募集締め切りまで約5万件の応募があり、その内、2社に1社の割合で約半数が採択されています。

【1】ポイント

申請は電子申請のみです。

〈1〉まずは「GビズIDプライム」のアカウントを取得します。これは、デジタル庁が所管している一つのアカウントにより、複数の行政サービスにアクセスできる認証システムです。

「GビズID」には「GビズIDエントリー」と「GビズIDプライム」があります。「GビズIDプライム」の場合、印鑑証明と登録印鑑で押印した申請書を運用センターに郵送し、審査の上でアカウントが作成されることになっています。

〈2〉Jグランツで応募・申請します。Jグランツは経済産業省が運営する補助金申請システムです。

【2】スケジュール

①公募開始

②申請受付終了

③採択発表

④交付申請・交付決定

⑤補助事業実施(遂行状況報告・中間監査・実績報告)

⑥確定検査(交付額の決定)

補助金の請求

補助金の受け取り

⑨各種報告

【3】申請する事業分野

ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者が直面する課題に対応するための設備投資を支援するもので、補助には一般型とグローバル展開型の二つがあります。

①一般型

(ア)通常枠…革新的な製品、サービス開発や生産プロセス、サービス提供方法の改善に関するものを支援します。

(イ)回復賃上げ・雇用拡大枠…賃上げや雇用拡大に取り組む事業者を支援します。

(ウ)デジタル枠…DX(デジタルトランスフォーメーション)のためのデジタル化投資に関する支援をします。DXとは、IT技術によって人々の生活をより良いものに変革させることです。

(エ)グリーン枠…温室効果ガスの排出削減に関する支援です。

②グローバル展開型

海外事業の拡大強化を目的とした設備・システムへの投資を支援します。

【4】補助金対象経費

①機械装置・システム構築費

②技術導入費

③専門家経費

④運搬費

クラウドサービス利用費

⑥原材料費

⑦外注費

知的財産権等関連経費

⑨海外旅費(グローバル展開型のみ)

一般的に補助金対象経費は①の機械装置・システム構築費が多いようです。

【5】不採択及び採択取り消しとなる場合

①同一法人・事業者が複数申請を行っている場合

②外部支援者の名称、報酬、契約期間を記載してないような場合

③応募申請時点で、工場や店舗などの事業実施場所を有していない場合、 など

おわりに

昨今の厳しい経営環境の中にあっても、将来を見据えて積極的に設備投資を検討している事業者を国としても後押ししています。

このような中小企業・小規模事業者を、補助金申請を通して支援することも行政書士の重要な役割だと思いました。