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障害福祉施策について(パート3)

相談支援事業とサービス事業の関係

①サービスの開始(支給決定時)

障害者の心身の状況や置かれている環境、サービス利用の意向、支援上の課題などを検討した上で、サービス等利用計画を作成します。

市町村によって支給が決定されると、サービス事業者との間で契約がなされ実際にサービスが開始されることとなります。

サービス事業者においては、市町村に提出されたサービス等利用計画に基づいて支援が行われることになりますが、サービス事業者においても、より掘り下げた個別の具体的な支援計画を作成するように努めることが求められています。

②モニタリング(支給決定後)

サービス事業者によってサービスが開始されてから、一定の期間が過ぎるとモニタリングが行われます。この期間は、毎月から1年に1回まで、対象者の状況に応じて設定されます。

相談支援事業者はサービス事業者と連絡調整を行い、モニタリングによりサービス等利用計画を見直す継続サービス利用支援を行います。

サービスを開始する時だけ、相談支援事業者が関わるだけでなく、サービス開始後も利用者の状況を検証しながら改善していく仕組みです。

障害児相談支援も同様の仕組みとなっています。

 

相談支援専門員について

障害者(児)の相談支援事業所には相談支援専門員が配置されています。

相談支援専門員がサービスの利用を希望する障害者(児)に関わりながら、サービスの利用について計画していくことになります。

①相談支援専門員になるには

障害者の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における実務経験(3年~10年)

     +

初年度に「相談支援従業者初任者研修」(42,5時間)を受講

     ⇓

相談支援専門員として配置

     

【以後、5年ごとに「相談支援従事者現任研修」(24時間)を受講すると更新されます】

 

②主任相談支援専門員

相談支援専門員としての現任研修を終了してから3年以上の実務経験に加えて、主任相談支援専門員研修(30時間)が必要です。

 

*研修については都道府県が主催として実施します。

 

おわりに

平成の後半に福祉政策が措置制度から支援費制度へと、大きく転換しました。

ノーマライゼーションの理念の下、共生社会を実現するために知的・身体・精神障害に共通する仕組みとして障害者が地域社会の中で生活できる支援が模索されています。

また、行政の押し付けの障害者施策ではなく、障害者の自己決定権を尊重するために、サービスの利用計画を作成した上で、利用開始となるような制度となっています。

個別に障害者を見た場合、それぞれが置かれた状況や心身の状態は違っており、ひとくくりには出来ません。

このためサービスの計画案を作成するためには、専門的な知識を有する人材が必要となり、そのため相談支援専門員が配置されることになりました。

障害福祉施策における支給費制度の中で、今後、ますます相談支援専門員の果たす役割は大きなものとなっていくのではないでしょうか。

 

《参考》厚生労働省HPより

第123回:市町村職員を対象とするセミナー「障害者福祉における相談支援の充実に向けた取組について」 (mhlw.go.jp)