はじめに
年金を受給している人が死亡したとき「受給権者死亡届(報告書)」を提出して、年金の受給を停止します。
年金の支給については後払いがルールとなっているので、亡くなってから支給される年金は未支給年金として遺族が受け取ることができます。
【1】未支給年金とは
未支給年金は、死亡した人と生計を同じくしていた遺族が、次に記した年金を受け取ることができます。
①年金受給者が死亡していた時に、まだ受け取っていない年金。
②死亡した日より後に振り込まれた年金のうち、亡くなった月分までの年金。
【2】未支給年金を受け取ることができる遺族
年金受給者が死亡した時に、生計を同じくしていた人で、次の順位の早い人になります。
①配偶者 ②子 ③父母 ④孫 ⑤祖父母 ⑥兄弟姉妹 ⑦①~⑥以外の3親等内の親族
【3】必要書類
①未支給年金・未支払給付金請求書
*未支払給付金とは、所得が一定額以下の年金生活者への経済的支援のために年金に上乗せされて給付されている年金生活者支援給付金の未支払のことです。
②添付書類
(ア)年金証書
死亡した年金受給権者の証書を回収します。
(イ)戸籍謄(抄)本または法定相続情報一覧図
死亡した受給権者と請求者の身分関係を明らかにします。
(ウ)住民票(除票)
死亡の事実を明らかにするためなので、戸籍謄(抄)本、死亡診断書(コピー可)でも構いません。
(エ)預貯金通帳(コピー可)
振込先確認のためのものです。
(オ)生計同一関係に関する申立書
未支給年金を受け取るためには、死亡した時に家計を同じくしていたことが必要です。そのため、「生計同一関係に関する申立書」に添付して、生計同一であることを証明する書類が必要になります。
生計を別にしていた場合には、第三者による証明が必要となることがあります。この場合の第三者とは、死亡者および請求者の3親等内の親族以外の人のことです。
【4】注意点
①年金受給者が死亡した場合、すみやかに提出する。
②未支給年金を受け取った場合、一時所得に該当するため確定申告が必要になることがあります。
おわりに
年金を受給した人が死亡した場合に、未支給であった年金を遺族が受け取ることになるので、厳格な手続きとなっています。死亡した人と遺族の関係は様々ですので、必要書類も多岐にわたる場合があります。
年金事務所等で確認しながら、書類を揃え、手続きを進めていってください。