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見守り契約をはじめとする支援制度について

はじめに

高齢になって身体や意思が不自由になった場合にどのように備えておけばよいのか、をあらかじめ考慮するようになります。

そのために高齢者の心身や意思判断の状況に応じて段階的に想定される、次のような制度があります。

①見守り契約

見守り契約というのは、一人暮らしの高齢者などを対象として、支援者が報酬を得て、本人の健康状態や生活状況を確認しながら日常の法的支援を行うものです。月に少なくとも1回以上、電話をしたり面談訪問を行ったりして、本人の現状を継続的に見守っていくことになります。

常日頃から、介護や福祉サ-ビス、医療機関といった関係機関と連携しながら対応する必要があります。

 

②任意後見契約

本人の意思判断力があるうちに、自らの人生設計を希望どおりに決定することができます。自分で信頼できる後見人を選んで、老後の生活や地震の財産管理などを託すことになります。

本人の意思判断能力が不十分となった場合には、法定後見になります。

 

③信託契約

信託契約は、特定の不動産や金銭の財産を目的としているので、身上監護や日常的な法律行為は含まれていません。任意後見契約も合わせて締結しておくと良いようです。

 

④遺言

自筆証書遺言や公正証書遺言が中心となっています。

 

⑤死後事務委任

葬儀の手配、医療費や施設などの未払い債務の弁済など、事務の範囲は契約によって自由に定めることができます。

例えば、関係者への死亡の連絡、死亡届の提出、火葬や埋葬許可の申請、健康保険や年金の手続き、遺品整理、私用パソコン関係のデータ消去・解約、ペットの引き取りといったものがあります。

 

尊厳死宣言

自己決定権に基づき延命治療を選択しないという「尊厳死宣言」が公正証書として作成されるようになってきました。

しかし、過剰な延命治療なのかどうかは医学的判断によるため、「尊厳死宣言」があるからといって医療現場ではそれに必ず従わなければならない訳ではありません。

もっとも「尊厳死宣言」があれば医療現場でも尊厳死を容認しているようなので、あらかじめ証拠保全効果のある公正証書として作成しておくことがよいと思われます。

 

おわりに

人生の最後まで自らの希望するところを出来るだけ実現するための仕組みが段階的に用意されています。

高齢者にとっては、以上のような契約に基づいて誠実に執行されることが安心につながっていきますので、後見人は重大な責任を負っていると思います。