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著作権について(パート4)

著作権について

財産権としての著作権は、譲渡や相続ができます。

このため著作者と著作権者の関係においては、著作物が創出された時点で、通常は著作者と著作権者は同じですが著作権は譲渡・相続ができるので著作者と著作権者は別々になる場合があります。

著作権は権利の束といわれていて、複数の小著作権(支分権)からなっています。支分権を束ねたものが著作権ということです。

概ね、次の4つのグループに分けられるようです。

ア、有形的に再製する複製権

イ、無形的な利用の上演権・演奏権、上映権、公衆送信権、公の伝達権、口述権、展示権

ウ、複製物を利用する頒布権、譲渡権、貸与権

エ、二次的著作物の創作権と利用権

 

(ア)複製権について

印刷、写真撮影、複写、録音、録画といった著作物を形のあるものに再製する権利です。

(イ)無形的利用権について

無形的利用権とは、「公衆」に直接見せたり聞かせたりすることです。「公衆」とは「特定かつ多数の者」とされていますが、逆にいうと、特定かつ少数であれば「公衆」ではないので特定の少数者には提示しても構わないということです。例えば、家庭において子どもが親の前で演奏したり、親が子どもに読み聞かせしたり、家族でDVDを見たりすることです。

 

2条5項 この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。

 

無形的利用権のうち公衆送信権の内容としては、放送又は有線放送、リクエストがあれば自動的に情報が送信されるリクエスト型インターネット送信、メール・ファックス等による送信といった3つの類型があります。

そして、クリックすればいつでも送信できる状態にしておくといった、送信可能化されていることも含まれます。

送信可能化については、国際ルールとしてWIPO条約で権利化することが義務化されています。

インターネットが登場して普及するという時代の流れの中で対応がなされてきたようです。

 

(ウ)頒布権、譲渡権、貸与権といった複製物の流通をコントロールする権利

映画の著作物については譲渡・貸与を含めた頒布権があります。その他の著作物に関しては、譲渡権と貸与権は別々に考えられています。

譲渡権は最初に販売された段階で消滅しますが、貸与権は消滅しません。中古物に関しては譲渡権は消滅しますが、貸与権は消滅しないので、映画・CD・本を貸与するような場合は、権利者の許諾が必要となります。

 

(エ)2次的著作物の創作権

既存の著作物に創作性を加えてつくられた別の著作物を2次的著作物といいます。例えば、

日本語の小説を英語に翻訳して出版するような場合です。日本語の著作物と英語の著作物は別物ですが、翻訳物を出版する出版社は原作者及び翻訳者の許可が必要となります。

翻訳する、編曲する、写真を元にして絵にしたり2次元の漫画のキャラクターをぬいぐるみにしたりして変形することや脚色する、映画化する、ダイジェスト版を作るなどの翻案したものは2次的著作物となり、元の著作者に権利があります。

 

第27条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。