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丁種封印制度について

はじめに

自動車登録番号標(ナンバープレート)を取り付ける際に、普通自動車の後ろに封印をしています。ちなみに軽自動車には、封印をする必要がありません。

封印とは、道路運送車両法に基づき、自動車が検査合格して登録が終了し、関連諸税を納付して道路を運行できるようになったことを証する最後の手続きをいいます。

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道路運行車両法

第1条 この法律は、道路運送車両に関し、所有権についての公証等を行い、並びに安全性の確保及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備についての技術の向上を図り、併せて自動車の整備事業の健全な発達に資することにより、公共の福祉を増進することを目的とする。

 

罰則

やむを得ない事由がある場合を除き、封印を取り外した場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金、及び封印を取り付けないままでいた場合には50万円以下の罰金を科せられることがあります。

 

封印委託の種別

封印の受託者は、以下の4種類に分類されています。

「甲種」は陸運支局内でナンバープレート関連の業務を行っている担当部署や担当官など

「乙種」は新車販売業者

「甲種」は中古車販売業者

「丁種」は各都道府県の行政書士

これら4種類の受託者から行政書士が「再委託」を受けて封印取付を行うことになります。

 

行政書士と封印制度

《平成13年》

個人ユーザーが運輸支局に出頭する負担を軽減するために、甲種受託者の再委託としてスタートします。ユーザーの車庫に出向いて封印する出張封印方式で行われました。

条件は、個人ユーザーからの依頼、管轄変更を伴う個人ユーザーの変更登録及び個人ユーザー間の移転登録の場合です。

 

《平成18年》

業としての自動車売買に係わるものを除き、以下の点で可能となりました。

①個人ユーザーの変更登録に限られていたものが法人ユーザーでも可となった。

②個人ユーザー間の移転登録に限られていたものが法人ユーザーでも可となった。

③管轄変更に加えて用途変更も可となった。

 

《平成29年》

丁種封印制度が創設されて、都道府県の行政書士会に所属している自動車登録業務に十分精通している行政書士が運輸支局等から封印を受け取ることができるようになりました。

自動車の新規ユーザーが運輸支局に自動車を持ち込むことなく、行政書士が出張して封印をします。

 

おわりに

「所有権の公証」と「自動車の保有実態の把握」の目的を果たすための自動車登録制度において、不正を防止する上から封印制度が実施されています。

登録手続き事務を行政書士が担っていることから、ユーザーの便益を考慮した出張封印は大切な業務であると考えられます。

こうした業務を段階的に行政書士が担えるようになったのも、これまでの行政書士の先輩諸氏の働きかけによるものだと思いました。