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空き家問題について

はじめに

総務省による2013(平成25)年の住宅・土地統計調査において空き家数820万戸、空き家率13,5%にのぼる数字に衝撃が走りました。

少子高齢化、人口減少の進行によって、更にこの数字が高まると予想されていましたが、2018(平成30)年の調査結果では空き家数849万戸、空き家率13,6%と更に高い数字となっています。

現在、こうした空き家の問題は広く社会の関心事となっています。

 

空き家とは

統計調査における「空き家」は、1年以上、人が住んでいない住居用建物のこととされています。

これが4つに分類され、2018(平成30)年の統計では次のような内訳となっています。

①売却用の住宅 3,5%

②賃貸用の住宅 51,0%

③2次的住宅(別荘など) 4,5%

④その他の住宅 41,1%

①売却用の住宅②賃貸用の住宅③2次的住宅(別荘など)とは、ある程度、使用目的がはっきりしているため、「空き家」として問題となるのは、④その他の住宅と考えられます。

 

「空き家問題」は「その他の空き家」の問題

④その他の住宅は高齢者の入院や介護施設への入所、死亡などによって、そのまま誰も居住していない状態の住宅とされています。

住人がいない状況が続いている「その他の住宅」が全体の4割を超えており350万戸近く存在しています。

この内の70%近くの240万戸が木造の一戸建て住宅です。

「その他の住宅」は住人がいなくなり、管理が十分でない住宅が多数存在すると思われます。

このような「その他の住宅」=「その他の空き家」は数が膨大なだけに、深刻な問題となります。

 

「空き家問題」の原因

「空き家」が発生することによる問題としては、次のようなことが挙げられます。

①資産価値の低下

②衛生上の問題

③近隣者や通行者への危害

④防災・防犯に対する不安

⑤地域イメージの低下

以上のような問題が考えられますが、やはり「空き家」周辺の住民にとっては、どれも大きな問題です。

「空き家」といっても、売却用・賃貸用・2次的住宅といったきちんと管理されている物件であれば「空き家問題」とはなりません。

「空き家問題」というのは、所有者の管理がずさん(管理不全といっています)なため、近隣住民にとって「空き家」が迷惑施設となり、近所迷惑を被っているという問題です。

「空き家問題」を解決するには、「空き家」を適正に管理をすることで近所迷惑にならないようにすることです。

 

「空き家問題」の当事者

「空き家問題」とは近所迷惑の問題なので、迷惑を被っている近隣住民と迷惑をかけている所有者ということです。

解決のためには、迷惑を被っている近隣住民の意向を十分にくみ取ることが重要であると考えられます。

 

おわりに

少子高齢化・過疎化がますます進行している中で、問題となる空き家が全国的に増加しています。空き家は個人の財産であり、他人が簡単に手出しをすることができないため解決が困難な問題でもあります。

「空き家問題」は近所迷惑の問題なので、行政や第三者を介して、解決に向けての話し合いを重ねることが問題解決の糸口になると思います。

また話し合いを通して、これからの街づくりや地域の在り方を考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。

 

《参考》

「空き家対策基本書」京都府行政書士

akiyakihonsho.pdf (kyoto-shoshi.jp)