【A】「エコアクション21」策定の背景
2015(平成27)年「国連持続可能な開発サミット」においてSDGsが、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)においてパリ協定が採択されました。
特にパリ協定においては、今世紀後半には温室効果ガスの排出量を実質ゼロとすることが目標とされ、わが国は2030年度までに、2013年度比で温室効果ガスを26%削減することを公約にしています。
大手企業はすでに環境経営を発展させ、環境法令の遵守や環境コミュニケーションといった取り組みを進化させているので、バリューチェーンの中にある中小企業も経営に環境への取り組みを位置づける必要があります。
国の政策としても「地球温暖化対策計画」【2016(平成28)年に閣議決定】においてエコアクション21のような「PDCAサイクルを備えた環境経営のためのマネジメントシステムの普及を進める」ことが求められています。
【B】「エコアクション21」の理念
保全された環境資源である自然資本を維持するという、人類の果たすべき義務を実践することで、従業員の資質が向上し、高い価値を有する事業者として評価され、信頼されることをゴールとした枠組みです。
【C】「エコアクション21」のメリット
(1)経営力が向上し、組織が活性化する
環境への取り組みを総点検することで、様々な経営データの把握が可能となます。環境経営に関する方針や目標を策定することで、計画性のある経営判断ができます。
具体的な行動を伴うので、組織内の相互理解と交流が進みます。
(2)顧客からの容貌に対応できる
大手企業がバリューチェーン全体として環境対応を求めてきた時に、その期待に応えることができる。
地方公共団体も環境への取り組みを進めることを積極的に支援しています。
(3)効果的効率的に取り組める
事業者の実務負担に配慮し、最小限の工数で効果を上げることができます。
〇必ず把握すべき環境負荷項目 … 二酸化炭素排出量、廃棄物排出量、水使用量
〇必ず取組むべき活動 … 省エネルギー、廃棄物の削減とリサイクル、節水、製品の環境性能の向上及びサービスの改善
(4)環境経営レポートの発信
環境経営レポートを作成し公表することで、関係者の相互理解が深まり、事業者に対する信頼を高めることができます。
(5)第3者による認証・登録制度のため、社会的信頼を得られる
環境省によって適合確認を受けているエコアクション21中央事務局による認証・登録制度なので社会的信頼があります。ロゴマークを使用した積極的なPRができます。
自治体からの補助や入札審査での加点を受けることができる場合やエコアクション21に取り組む事業者への金融機関による低利融資制度もあります。
【D】エコアクション21の特徴
(1)中小企業でも取り組みやすい
中小企業の実務負担にも配慮した、取り組みやすいP(計画)→D(実施)→C(確認)→A(見直し)の、いわゆるPDCAサイクルになっています。
(2)環境経営レポートの作成・公表
環境に配慮した経営を行っていることを示すツールであり、レポート作成を通して関係者とのコミュニケーションが活発となり経営の透明性も向上します。
(3)継続的な改善効果
継続的な改善の取り組みを念頭に置いた制度設計となっています。
《参考》