【1】「技術・人文知識・国際業務」とは
「出入国管理及び難民認定法」の別表第一の二の表にある在留資格です。自然科学の分野、人文科学の分野における技術や知識を要する業務や、外国の文化に基盤がある思考や感受性を必要とする業務に従事する活動を行う外国人に認定される在留資格です。
【2】要件
①自然科学又は人文科学の分野に関する業務をおこなう場合には、次のいずれかに該当する必要があります。
(ア)必要な技術・知識を専攻して大学を卒業するか、同等以上の教育を受けていること。
(イ)必要な技術・知識を専攻して日本の専修学校の専門課程を修了していること。
(ウ)10年以上の実務経験を有すること。
②外国の文化に基盤がある思考や感受性を必要とする業務に従事しようとする場合には、次のいずれにも該当する必要があります。
(ア)翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引業務、服飾や室内装飾に係わるデザイン、商品開発その他、これらに類似する業務に従事すること。
(イ)関連する業務について、3年以上の実務経験があること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係わる業務に従事する場合は、この限りではありません。
③日本人の報酬と同等額以上の報酬であること。
【3】「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を有する外国人が転職する場合
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を有する外国人が、A社からB社に同じ業務内容で転職する場合、どのような手続きが必要となるのでしょうか。
《外国人の手続き》
①「契約機関に関する届出」
A社を退職してB社に入社した場合には、出入国管理庁に事由が生じてから14日以内に届出をする義務があります。
②「就労資格証明書」
転職した場合、転職先で「就労資格証明書」を取得しておけば、A社と業務内容が同じで在留資格の変更をしなくてもよいという証明になります。業務内容が違えば在留資格も異なるので、在留資格を変更せずに異なる業務をしているということは不法就労ということになってしまいます。
ただ、在留期間がどれぐらいあるかで、取得しておいたほうが良いかどうかが判断のポイントになるようで、在留期間満了の6か月前かどうかが判断の目安のようです。
③「就労資格証明書」の必要書類(転職の場合)
・就労資格証明書交付申請書
・在留カードの原本
・パスポートの原本
・履歴書
・転職理由書
・転職前の会社資料・・・源泉徴収書、退職証明書
・転職後の会社資料
1,会社案内等の会社の概要を示すもの
2,会社の登記簿謄本
3,直近の決算書の写し
4,次のいずれかで、転職後の活動内容、期間、地位、報酬の記録がある文書
(ア)雇用契約書の写し
(イ)採用通知書の写し
(ウ)辞令の写し
(エ)(ア)~(ウ)に準ずるもの
《会社の手続き》
①「中長期在留者の受入れに関する届け出」
受入開始又は終了した時に14日以内に届け出なければなりません。
②「外国人雇用状況の届出」
2007(平成19)年から、すべての事業主は、外国人労働者(特別永住者及び在留資格「外交」・「公用」の者を除く)の雇入れまたは離職にあたって、外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等について確認し、管轄のハローワークへ届け出ることが義務付けられています。