はじめに
外国人介護人材を受け入れる仕組みは4パターンあります。
フィリピン・ベトナム・インドネシアとの二国間経済連携の強化を目的として受け入れます。
②在留資格「介護」
専門的技術的分野の外国人を受け入れるための在留資格です。
③技能実習
介護分野における、本国への技術移転を目的として技能実習生を受入れます。
④特定技能1号
介護人材の不足に対応するため、一定の専門性・技能を有する外国人を受入れます。
①~④の、いずれにしても介護福祉士の国家試験に合格して資格を取得すれば、在留期間の更新の回数制限はなく、家族の帯同も可能となります。
介護分野における特定技能外国人の受入れについて | 厚生労働省 (mhlw.go.jp)
【1】特定技能1号の介護
①特定技能1号の介護とは
2019(平成31)年より始まった、就労目的で外国人を受け入れるための在留資格です。
(ア)従事内容
入浴・食事・排せつといった身体介助、レクリエーション・機能訓練の補助といった介助に付随する業務に従事します。ただし、訪問系サービスには従事できません。
(イ)雇用形態
〇事業所の直接雇用で、派遣雇用は認められていません。
〇正規・非正規は問われませんがフルタイムの雇用となります。フルタイムとは、原則週5日間、年間217日以上、週30時間以上の勤務です。複数事業所で、同一特定技能外国人は雇用できません。
(ウ)介護保険における介護報酬上の取り扱い
受入れと同時に配置基準の算定対象になりますが、6か月を目途に、特定技能者が順応できるようなサポートをしなくてはなりません。
(エ)家族の帯同は認められていません。
(オ)通算で、5年間就労できます。
【2】特定技能外国人の要件
18歳以上、学歴・職歴なしでもOKですが、技能水準・日本語能力試験があります。
【3】介護分野に受入れのための試験について
①必要な試験
特定技能1号介護で就労するためには、次の3つの試験に合格することが必要です。
(ア)日本語試験
ある程度の日常会話(N4以上)の、日本での生活に支障がない程度の日本語能力試験です。
(イ)介護に関する日本語試験
介護業務に従事する上で支障のない程度の日本語能力試験です。
(ウ)介護の技能評価試験
介護の現場で利用者の心身の状況に応じた介護を自ら一定程度実践できるよう、必要な知識や技能を確認する試験です。
②試験の免除について
(ア)(イ)(ウ)のすべてが免除される場合
介護分野での技能実習2号修了者、介護福祉士養成施設修了者、EPA介護福祉士候補者(4年間の就労)は免除されます。
(ア)のみ免除される場合
職種や実習の種類に関わらず技能実習2号を修了した者は(ア)のみ免除されます。。
【4】雇用形態
(ア)採用活動
特定技能者に対して直接に採用活動を行います。ハローワーク、国内外の民間職業紹介機関、相手国の送出し機関、現地の労働省を通じて採用します。
(イ)受入れ
身体介助などの業務に従事させることができる事業所が受入れます。訪問介護系は対象外です。受け入れ人数は、日本人などの常勤介護職員の総数を超えることはできません。「など」には、介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士、在留資格「介護」、永住者や日本人配偶者などの身分や地位に基づく在留資格を有する者も含まれます。
(ウ)雇用契約
〇報酬は日本人と同等以上であること。
〇一時帰国を希望した場合の休暇の取得。
〇外国人支援の適切な計画と体制があること。
【5】登録支援機関
植えきれ機関との支援委託契約により支援計画及び支援の実施を行う機関です。利用するかどうかは受入れ機関の任意となっています。
【6】就労前の支援
義務的支援として、雇用契約締結後、在留資格申請前に事前のガイダンスを行います。労働条件や在留中の活動内容、入国手続きについて説明します。このほか、介護業務に関する留意点や相談・苦情受付けといったことについても説明します。
本人と対面で、十分に理解できる言語で説明する必要があります。
【7】外国人雇用状況の届出
労働施策総合推進法に基づく外国人雇用状況の届出が義務付けられています。雇用・離職があった場合はハローワークに届け出ます。
【8】特定技能協議会
厚生労働省により特定技能の介護分野における協議会が組織されており、国際厚生事業団が事務局を担当しています。
特定技能受入れ機関は協議会への加入が必須となっており、受入れから4ヶ月以内に入会申請を行わなければなりません。