はじめに
コロナの影響で、店舗での営業が制限される中、比較的小回りの効くキッチンカーでランチ時をターゲットにした営業活動が注目されています。
こうしたキッチンカーでの営業については、食品衛生法による営業許可が必要となっており、2021(令和3)年6月に改正された食品衛生法の適用を受けることになります。
手続き
①事前相談
まず、保健所へ行って相談します。
②申請書類を提出
・営業許可申請書(1通)
・施設の構造及び設備を示す図面(2通)
・営業の大要(2通)《仕込み場所や出店予定地などの書類です。》
・許可申請手数料
・食品衛生責任者の資格を証するもの
*食品衛生管理者の資格とは
○栄養士・調理師・製菓衛生士・食鳥処理衛生管理者・船舶料理士・屠畜場法に規定する衛生管理責任者/作業衛生責任者の資格を有する者
○食品衛生管理者又は食品衛生監視員となることができる資格を有する者
○食品衛生責任者の資格取得のための養成講習会修了者
③施設検査の打合せ
保健所担当者と工事の進捗状態や検査日時などを連絡し相談します。
④施設完成の確認検査
営業者立会いのもとに保健所の検査確認が行われます。不備があれば、改めて再検査となります。
⑤許可証の交付
施設基準に適合していることが確認された後に許可証が作成され、交付されます。営業許可の有効期間は5年間です。
⑥営業開始
給水設備について
水のついては食品の衛生保安上、車に備え付ける給水タンクの容量に応じて食品や食器類の取り扱いが異なります。また、廃水を保管する貯水設備も必要です。
《40リットルのタンク容量》
簡易な調理(温める、揚げる、盛り付ける等)をする、クレープなどの単一品目のみで、使い捨ての容器を使用します。
《80リットルのタンク容量》
使い捨て容器を使用する、から揚げ+ポテト+ドリンクのセットといった複数品目を取り扱う2工程までの簡易な調理の場合です。
《200リットルのタンク容量》
ラーメンなど、仕込みを行い複数の工程からなる調理で、通常の食器を使用する場合です。
「非接触水道」が義務
手洗い後の手指の再汚染を防止するために、手で直接、蛇口に触らずに水を出したり、止めたりできるセンサー付きなどの「非接触水道」が必要です。
「仕込み場所」
営業前の仕込み場所も、食中毒を防ぐために保健所の営業許可を必要とします。
営業開始後の手続き
〇変更届…営業許可を受けた後に変更があった場合、10日以内に届け出ます。
〇営業許可継続の申請…営業許可満了(5年間)の後も継続して営業する場合に必要です。
おわりに
食品を扱うのでキッチンカーといえども保健所による厳格なチェックを受けなければなりません。
コロナの影響で店舗での営業が厳しくなっている昨今、キッチンカーでの営業にスポットが当たっていますが、手続きが煩雑なので、保健所とよく相談する必要があると思います。
《参考》
東京都福祉保健局「自動車関係営業許可申請の手引」