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行政書士法について

法の目的について

法の目的については、次のように書かれています。

 

(目的)第1条 この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続きの円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを目的とする。

 

この条文は2021(令和3)年6月より施行されます。下線部の文言が法改正によって追加されました。より一層、国民の権利に寄り添った行政書士であることが求められています。

 

行政書士の業務について

行政書士がどのような業務を行えるのかについて書かれています。

 

(業務)

第1条の2 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(中略)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む)を作成することを業とする。

 

行政書士の仕事は、誰かに頼まれて、お金を頂いて、書類を作成することです。

どんな書類を作成するかというと①官公署に提出する書類 ②権利義務に関する書類 ③事実証明に関する書類の3種類です。

 

①官公署に提出する書類は、ほとんど許認可等に関するもので1万種類以上あるといわれています。

②権利義務に関する書類とは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類をいいます。遺産分割協議書、各種契約書、示談書、内容証明、定款等です。

③事実証明に関する書類とは、社会的に証明を要する事項について自ら証明するために作成する文書をいいます。実地調査に基づく各種図面類、財務諸表、申述書等があります。

 

いわゆる①は公に対して提出する書類、②と③は行政手続における添付書類を想定した民対民の書類ということでしょうか。

 

第1条の3 行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。

一 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続(中略)について代理すること。

 

行政に提出する書類は本人申請が基本ですが、複雑多岐に渡る書類を揃えることは時間的なことや適切な内容の書類を作成すること等を考えても、大変な労力を要します。

そのために適切に書類を作成する行政書士が必要となり、官公署への提出手続きについても代理することができます。

 

業際問題

第1条の3にある下線部については、他の士業に関する法律に抵触する業務は行うことができないということです。

弁護士法、司法書士法税理士法社会保険労務士法土地家屋調査士法などです。

士業間における近接する業務の範囲を、いわゆる業際といっていますが、さまざまな軋轢が生じている事柄なので、業務を遂行する上では慎重に判断していかなければならないことです。

 

行政書士の独占業務

第19条 行政書士又は行政書士法人でない者は,業として第1条の2に規定する業務を行うことができない。(以下略)

 

第21条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

一 (略)

二 第19条第1項の規定に違反した者

 

行政書士でない人が行政書士法で規定されている業務を行った場合、厳しい罰則規定が定められています。

行政書士にとっては法によって、その地位を守られているということです。

ただ一般には行政に提出する書類については馴染みが薄いため、行政書士法第1条の2に規定する業務を業として行うというのがどういったことであるのか、をきちんと把握できてないのが現状ではないでしょうか。

かく言う私も、いまだに行政書士としての仕事のイメージがはっきりしていません。

行政書士の仕事とは何かが、一般社会でハッキリとイメージされるように、私自身頑張っていかなければならないと思っています。