はじめに
現今、経済活動社会活動といったあらゆる分野において環境問題が大きな社会問題となっています。
その目標とされているのは、2015年の国連サミットにおいて策定された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で、先進国と発展途上国が一丸となって達成すべき国際社会の共通目標である「持続可能な開発目標」すなわちSDGs(Sustainable Development Goals)です。
日本の現在および将来において重要になってくるSDGsがどのようなもので、どのように影響が及ぶのか、どのように対応するのかを考えます。
環境問題の歴史
公害問題
日本の環境問題は公害問題から始まっています。
古くは明治時代の足尾鉱毒事件がありますが、社会的に大きなインパクトを与えたのは、高度経済成長期における四大公害問題です。熊本水俣病・新潟水俣病・四日市ぜんそく・富山県イタイイタイ病といった有害な廃水・排煙によって人体に健康被害が生じた問題です。
こうした公害被害を無くすために1967年には公害対策基本法が成立し、1971年には環境庁が発足しています。
公害事件の再発防止のために典型的な七つの公害(大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、悪臭、地盤沈下)に対する環境基準が導入され、規制値のクリアが求められました。
環境問題
1990年代になると、それまでの公害問題の解決だけでなく、地球的な問題としての環境問題の解決が課題として捉えられるようになってきました。
地球温暖化・酸性雨・オゾン層破壊といった地球全体に影響が及び、人類の生存そのものを脅かす問題として国際的な規制が求められるようになってきます。
1993年に環境基本法が制定され、2000年には循環型社会形成推進基本法とともに各種リサイクル法が制定されました。2001年には環境庁が環境省となり、2005年には、京都議定書が発効しています。
企業も環境への貢献を目指す環境マネジメントシステムの規格であるISO14001や企業の社会的責任に関するエコアクション21に取り組むようになってきました。
持続可能な開発へ
2015年には国連サミットにてSDGsが制定され、持続可能な開発の考え方が提唱されました。
世界的なイベントである2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博に向けて、企業のSDGsへの取り組みの強化が求められています。