【1】監理団体とは
監理団体は、主務大臣(法務大臣と厚生労働大臣)の許可を受けた非営利団体です。
技能実習生の受入れ機関と技能実習生の間で、雇用関係のあっせん及び受入れ機関を監理します。
具体的には、技能実習生に関して、現地国での面接・入国手続きをサポートするとともに、受入れた後に受入れ機関が適切に技能実習を実施しているかどうかをチェックします。
【2】技能実習の区分
技能実習には「企業単独型」と「団体監理型」の2つがあります。
「企業単独型」は海外の支店や現地法人、取引先の職員等を日本に招いて技能実習させるものであり、一切の手続きを自社で行うことから、大企業でなければ難しい方式です。
2018(平成30)年における技能実習生受入れ方式では97,2%が「団体監理型」で2,8%が「企業単独型」となっています(JITCOより)
【3】監理団体の区分
①特定監理団体
技能実習1号と2号の受入れが可能な団体です。2022(令和4)年7月の時点で、1,752団体あります。
②一般監理団体
優良監理団体ともいわれており、法令で定められた高い水準を満たしている団体です。技能実習1号~3号まで受入れが可能です。
2022(令和4)年7月の時点で、1,788団体あります。
【4】監理団体の役割
(1)実習開始までの役割
①技能実習計画の作成支援
受入れ機関は技能実習計画を作成して外国人技能実習機構(OTIT)に申請し、認定を受ける必要があります。監理団体は、この計画が生活や労働環境のこと、出入国や労働関係に関する法令遵守といったことに関して適切に作成されるように指導します。
②送出し機関との取次
適切な送出し機関と契約を交わし、受入れ機関に代わって求人の取次を行います。現地での採用面接にも同行してサポートを行います。
③入国後の手続き
技能実習生が入国するための入管への申請といった事務手続きを行います。
④入国後講習の実施
技能実習生が入国した後、日本での生活に備える講習を行わなければなりません。内容は、日本語、日本での生活一般、法的保護に必要な情報、円滑な技能習得のための知識等です。
(2)技能実習開始後の役割
①監査・実施状況の確認
3ヶ月に1度、受入れ機関において適切に技能実習が行われているかを監査します。現場で実習生との面談、生活環境のチェックをします。
実技実習責任者・指導員からのヒヤリング、諸帳簿の確認を行います。
②訪問指導
技能実習計画の通りに実習が行われているかを、月に1回以上の訪問指導を行います。
③技能実習生への支援
実習生が有する諸問題について、母国語で相談できる体制を設けておきます。
実習修了時の帰国手続き(受入れ機関が費用を負担します)を行います。
おわりに
技能実習生を受入れる場合には、実質的に監理団体が中心となります。
技能実習制度の目的にある国際貢献を実現するための責任は大きいと思います。
監理団体はとてもたくさんあるので、丁寧に親身になって実習生をサポートする監理団体を選定することが大切なようです。