はじめに
どんな人が成年後見制度を利用しているのでしょうか?
毎年、最高裁判所事務総局家庭局によって1年間の利用状況について概況が取りまとめられ公表されています。
2021(令和3)年1月~12月までの間における資料を基にまとめてみました。
【1】申立て件数
総数が39,809件(後見開始・保佐開始・補助開始及び任意後見監督人の合計)で、この内、後見開始が28,052件とかなりの部分を占めています。
【2】申立人は?
誰が申立てているかというと、親族が20,719件(52,6%)と半分を占めており、親族以外が10,444件(26,5%)、本人が8,193件(20,8%)となっています。
親族で、多いのは子どもの8,236件、次いで兄弟姉妹の4,443件です。
親族以外のうち、最も多いのが市町村長の9,185件となっています。
【3】本人の男女別割合
女性55,9%(80歳以上62,9%、70歳代19,3%)
男性44,1%(80歳以上34,8%、70歳代28,0%)
【4】申立ての原因
認知症63,7%、知的障害9,6%、統合失調症9,1%、高次脳機能障害4,4%
【5】申立ての動機
1、預貯金等の管理 32,9%
2、身上保護 24,4%
3、介護保険契約 13,6%
4、不動産の処分 11,6%
5、相続手続 8,3%
6、保険金受取 5,1%
【6】成年後見人等と本人の関係
成年後見人等に就職するのは親族が19,8%、親族以外が80,2%となっており、圧倒的に親族以外が多くなっています。
《親族以外の内訳》
弁護士25,9%、司法書士37,7%、社会福祉士18,1%、社会福祉協議会4,3%、
行政書士4,1%、市民後見人1,0% 等
おわりに
成年後見制度の利用者は、2015(平成27)年に210,290人であったのが、2021(令和3)年には239,933人と増加しています。
急速な高齢化の時代を迎えており、今後も増加すると考えられています。
このため国は成年後見制度利用促進基本計画を策定して、諸施策を実行している状況です。
全国のどこでも誰でもが、必要な時に成年後見制度を利用できるようになってほしいものです。