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入管法と行政(9)~在留管理~

【1】在留管理とは

在留管理は日本に在留する外国人の管理で、主に中長期在留者を対象としています。

在留管理の目的は、受け入れた外国人が、その受け入れの趣旨にかなった活動を行うことで日本の経済・社会の発展に寄与すること、違法活動によって日本の安心安全を脅かす行為を防止し、在留を打ち切るなどして適切に対応することです。

【2】在留中の外国人対象の許可

在留資格の変更

在留資格を有する外国人が、新たに別の在留資格に対応する活動をしようとする場合、許可を受けて新たな在留資格を取得することが必要です。

例えば、大学教育を受ける活動の在留資格である「留学」から、卒業して就職した時に「技術・人文知識・国際業務」への在留資格の変更をする場合などです。

在留資格の変更許可の申請

在留資格の変更を受けようとする外国人は、法務大臣に対して在留資格の変更許可申請をしなければなりません。許可については「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」が公表されており、「専ら法務大臣の自由な裁量に委ねられ」ており「総合的に勘案して」行われるとされています。

③「短期滞在」からの変更申請

「短期滞在」は滞在期間が短く、比較的簡易な手続きで取得することができることから「短期滞在」からの変更申請は、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可されません。

難民認定者から「定住者」への変更申請

法務大臣は変更申請があった場合、許可するものとされています。

⑤「高度専門職」の在留資格変更の特則

「高度専門職2号」への変更は「高度専門職1号イ、ロ、ハ」の資格で在留していた外国人でないとできません。

【3】永住許可

永住許可の要件は①素行が善良であること②独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること③日本国の利益に合うと認められること、とされています。

【4】在留資格の取得許可

日本の国籍を離脱した者又は出生その他の事由によって在留することとなった外国人は、その事由が生じた日から60日間は在留資格を有することなく在留できます。

住民基本台帳法では「国籍喪失による経過滞在者」「出生による経過滞在者」としています。

経過滞在者が在留資格なくして在留できるのは60日が限度なので、国籍離脱又は出生その他の事由が生じた日から30日以内に、法務大臣に対して在留資格の取得を申請しなければなりません。

【5】在留期間の更新許可

現に有する在留資格を変更することなく在留期間を更新する許可です。

法務大臣は在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可することができます。相当の理由があるかどうかの判断は「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」に基づきますが、専ら法務大臣の自由な裁量に委ねられており、総合的に勘案して行われます。

【6】資格外活動許可

減に有する在留資格の活動を阻害しない範囲で、就労活動の範囲を拡大するものです。出入国在留管理庁長官によって資格外活動の許可が行われますが、その場合、条件を付すことができます。就労先等を個別に特定されることはありませんが「1週間について28時間以内の就労活動」というものです。